野生動物と熊胆の違法な取引

ここでは、押収された野生動物から得られたDNAシーケンスを調査します。押収物は熊胆の疑いがあります。ここでのゴールはGeneiousとシーケンスデータを使って本当にそれが熊胆かを同定し、もしそうだったとしたら、どの種由来かを調べることです。

野生動物の取引は麻薬取引に次いで大きな犯罪です。世界的な取引の価値は、合法・違法を合わせて1年でUS$159,000,000にも上ると考えられています。野生動物は食品、漢方、ペット、コレクションとして取引されます。

熊胆は3000年の歴史がある中国の有名な漢方です。中国の漢方のお医者さんは熊胆を肝臓がん(Mills and Servheen, 1991)から痔や結膜炎(Bensky and Gamble, 1993)まであらゆる病気に処方します。熊胆にはウルソデオキシコール酸(UDCA)が入っていて、UDCAは他の哺乳類よりも熊に多く含まれています。粉になると、腎臓や肝臓を整えたり熱や痙攣に効くお薬になります。


中国のクマ牧場には7000頭、ベトナムには4000頭、韓国には1800頭のクマがいるとされています。中国とベトナムの熊は、生きている間定期的に成分を抜き出されます。 アメリカやカナダでは胆のうを取るために多くのクロクマが殺されています。胆のうは闇市で売られ、US$10,000 くらいになります(Ratloff 2005)。

クマ牧場が存続すると、野生のクマの生存が危険になります。東南アジアでは、クロクマが(Selenarctos thibetanus)が捕まえられ、クマ牧場に売られていきます。世界中の熊胆製品の売上はアジアのクロクマの命に懸けられたお金なのです。

更に詳細を知りたい方はwikipediaをご覧ください。


Exercise 1: DNAを使用した野生動物の科学捜査
Exercise 2: クロマトグラムの編集
Exercise 3: 未知のシーケンスのBLAST
Exercise 4: 系統樹の作成