系統樹 - 進化系統樹の構築

マルチプルアラインメントはシーケンス間の進化的な相互関係を決定する初歩的な手法です。シーケンス間の関連の研究は分子系統学(molecular phylogenetics)と呼ばれます。 分子系統学の目的はシーケンスセットの進化的歴史を表すことです。進化的歴史は種分化や変異を含む一連のイベントを示すヒエラルキカルな枝の図で表されます。このような図が進化系統樹、もしくは系統樹と呼ばれます。

Exercise2で作成したマルチプルアラインメントを選択し、Toolバーにある Tree ボタンをクリックします。すると下記のようなTreeのダイアログボックスが現れます。



設定を変更する前に、ボックスの左下の 歯車マークをクリックして"Reset to Default"を選択しておきます。

Geneiousでは様々な種類のアルゴリズムでツリーを作成することができます。今回は距離ベースでツリーを作成するGeneious Tree Builderを利用します。距離法の方が直感的で素早く、初歩的な解析に向いているからです。

Genetic Distance Modelオプションでは、Jukes-Cantorを使用します。これが一番シンプルなモデルであり、全ての塩基間で変異のレートを平等に仮定します。

Tree Build Methodオプションでは、UPGMAを使用します。

これらのオプションの詳細については、Geneious phylogenetics tutorialをご参照下さい。

他の設定はデフォルトにしてOKをクリックします。

系統樹が構築され、ツリードキュメントが作成されます。もし自動で開かなければ、ドキュメントをクリックして開いて下さい。



この図では、全てのシーケンスが共通の祖先を持ち、左から右に進化が起こっています。

垂直の線には意味はなく、水平の線の長さが進化的変化の度合いを表します。

このケースでは、進化的変化は特定のサイトである塩基が他の塩基に変化したことを意味し、サイト毎の置換の数によって計量されています。図の下にあるスケールバーに着目して下さい。(見えない場合は、右のパネルのShow Scale Barを選択します。)

Genbank (DQ311981)とMedicago polymorphiaだけが垂直に分かれているのが見えます。Genbankのシーケンスは同じ生物種由来なので、シーケンス間の距離が0になります。

それぞれの枝の長さを見るには、右のパネルにあるShow Branch Labelsを選択します。ツリーの枝の長さは、例えば2.13 x 10-2 = 0.0213のように表されます。

図を解釈するには、同じくクラスターされた2つのシーケンスが他のシーケンスのクラスターよりも、より共通の祖先に近いかに着目します。


Question 8: 最も近縁な種間のBlanchの長さの総和はどのくらいでしょうか?
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ドキュメントビューワーパネル上部のDistancesタブをクリックすることで、ツリーの距離の表を見ることができます。この距離のマトリックスはシーケンスのペア間の遺伝的な距離を示します。これらの距離がツリーの構築に使用されています。小数点は第6位まで増やせます。


Question 9: 最も近縁な種間の遺伝的な距離はどのくらいでしょうか?
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Question 10: 最も近縁な種間での長さの総和と長さを比較すると何が言えるでしょうか?
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これでこのチュートリアルは終了です。Questionの答えはこちらからご覧頂けます。